農建機部会の食料・農業政策提言に基づき、農水省と意見交換  
 JAM農建機部会の岡田勤部会長はじめ9人は2009年4月1日、津田やたろう参議院議員の協力を得て参議院議員会館で「食料・農業の産業強化と雇用創出を求める緊急要請」に基づき、民主党、農水省・経産省への3部構成の政策懇談会を開いた。第1部では、民主党の次の内閣の農林水産大臣である筒井信隆衆議院議員から、
 @  政権獲得後10年以内に食料自給率を50%にし、その後10年以内に60%、さらに100%を目指す。
 A  農業の果たしている水・空気・土壌保全など多面的機能に対して1兆円の所得補償を行う。
 B  食料品全体にトレーサビリティの義務化、加工食品全体の原料・原産地表示の義務化で食の安全・安心を確保する。
 さらに、2020年までにCO2を25%削減など、民主党の農業政策の説明を受けた。

 第2部では農水省に政策提言し意見交換を行った。第3部では経産省から「農商工等連携」について取り巻く現状・推進に向けた取り組みなどの説明を受けた。


農建機部会、食料・農業の産業強化と雇用創出を求める緊急要請の主旨

 わが日本は、食料の自給率が40%を下回り、国民が生きていくための必要最低限の食料の確保が保証されていません。加えて、この現状を改善しようとする国の姿勢も定まらず、本来必要の無い米を輸入するなど、国民のための政策を実行しているとは到底思えません。

 世界では、中期的食糧不足が指摘されているにもかかわらず、国内で確保が可能な米の生産を制限して農業基盤の弱体化を助長しています。米国をはじめとする先進国は、食料の自給率を100%以上として、国内の農業基盤の維持強化に大規模な政策を行っています。特に、余剰分に対する輸出振興については、国策として優先的に取り組んでいることは、周知の通りです。  しかし、いざ有事となった場合、輸出していた食糧は、国内へと振り向けられます。他国のことは保証しないという態度は、穀物の高騰を見てもすでに明らかです。

 日本は、政策的に対応することで100%の自給率を達成して、さらに余剰分について輸出ができる農業基盤を確立するべきです。日本の農業技術は、世界でもトップクラスにあり海外においても指導的な役割を果たしています。また、農業の機械化も進み、省力化と生産性の高さは、海外と比較してもけして低くありません。

 農家の高齢化が進行していることを考えても、新規就農者や農業後継者の育成を早急に進め、技能やその土地風土にあった知識の伝承を行う必要があります。また、企業を定年退職した後の地域社会への参加の受け皿としての体制作りも必要です。農業で退職者等に働く場を提供することで、積極的な地域社会への参加を促し「地域社会とともに暮らせる環境」としての効果も期待できます。  以上のような効果を発揮させるため地域・農業政策としての取り組みを至急実施していただきたく要請をいたします。

 食料・農業政策提言要請

@農繁期に向けた労働力支援制度の確立
A担い手の育成と、新規就農者支援に向けた対策
B減反政策を廃止し米産地のブランド化と飼料米生産の推進
C米の輸出振興の強化
D農業を中心とした日本の伝統的環境維持活動と市民との関係強化
Eミニマムアクセス米の即時購入停止