職場の安全衛生活動は、事故や疾病を事前に予防する取り組みが重要です。JAMは職場における日常的な安全衛生パトロールの実施とそれによって発見された職場改善の必要な箇所を改善する提案を重視しています。
 職場改善提案に活用するために、JAMでは加盟組合から職場改善事例報告を集め、職場改善事例集として加盟組合に配布し活用しています。

パンザーマストロール機の安全装置
玉掛作業時の安全対策
棚の上段部にある本の落下防止対策
センタレス作業における安全対策
大型コンバイン移管に伴うリスク低減対策
1ケ流しによる部品在庫の削減
「挟まれそう」遊び手対策
危険箇所へのウレタンゴム貼り付け


業種:金属製品  事業所組合員数:106人
職場改善事例(件名)

パンザーマストロール機の安全装置

(改善事例写真・図・関連資料の添付欄)

1.改善の目的と背景

 現在パンザーマストロール機には運転者側とその反対側に非常停止ボタンがあり、非常停止をすることができる。しかし、最初手で鋼板を送る作業があるので、手の巻き込まれ防止を考える必要があった。
○改善前

2.取り組みの方法と内容
  (概ねの費用・期間)

 ストッパー、ガイドロール、光センサー等を検討したが、ロール機に鋼板が入ってからの曲がり等を考慮して光センサーを採用した。

 4台のロール機について実施、費用は80万円、期間は3ヶ月。
○改善後
光センサーによる安全装置

3.効果

 鋼板をロール機に差し込むときの巻き込まれのおそれはなくなった。


業種:鉄鋼業  事業所組合員数:389人
職場改善事例(件名)

玉掛作業時の安全対策

(改善事例写真・図・関連資料の添付欄)

1.改善の目的と背景

危険有害要因(具体的に) 発生の恐れのある災害
(災害の形態・程度等
段済みしたLSバッグ上への昇降、及び高所での玉掛け作業 災害の形態
   転落
災害の程度
   重大災害
   ○改善前

2.取り組みの方法と内容
  (概ねの費用・期間)

リスク低減策(何を、どうする)
<作業方法又は手順・教育>
LSバッグ置場を拡張し、段積みを低く
(上限4段まで)することでリスク低減を図る。

   ○改善後

3.効果

●置場を拡張し、段積みを4段までに抑えることでリスクレベルを低減できたが、維持継続するため管理方針を明確にした。
  1. 置場内バッグ状況の確認担当者と点検周期を決めた。
  2. 班長の役割分担を決めた。
  3. 空バッグ在庫基準を設定し、全員に教育後、置場内に掲示した。

業種:電気機械  事業所組合員数:604人
職場改善事例(件名)

棚の上段部にある本の落下防止対策

(改善事例写真・図・関連資料の添付欄)

1.改善の目的と背景

 地震時に棚から本が落下した際に頭に当たりけがをする可能性がある。
 ○改善前

2.取り組みの方法と内容
  (概ねの費用・期間)

 落下防止のバーを設置した。

 ○改善後

3.効果

 棚の近くを通る際に、安心度が増し、より業務に集中できるようになった。

業種:一般機械  事業所組合員数:186人
職場改善事例(件名)

センタレス作業における安全対策

(改善事例写真・図・関連資料の添付欄)

1.改善の目的と背景

 センタレス作業において、ガイドブレード板に製品を乗せ、押し棒にて製品を押す通常作業時に、砥石に手を近づける作業であることから巻き込まれる可能性が大きいため、災害予防のための改善を実施した。
○改善前

2.取り組みの方法と内容
  (概ねの費用・期間)

 新規導入時に暫定対策として、砥石側面にアルミ製のバーを取り付け、暫定対策を行った。その後に恒久対策として鉄板により砥石側面を覆い、手が砥石に接触しない安全対策を行った。
○改善後

3.効果

  • 労使による設備導入時における立ち合い時からの指摘箇所であり、恒久対策について難航したが、作業性を損なうことなく、機械の安全性が向上した。
  • 研削油の飛散防止効果があり、ミスト量も減った。

業種:一般機械  事業所組合員数:461人
職場改善事例(件名)

大型コンバイン移管に伴う リスク低減対策

(改善事例写真・図・関連資料の添付欄)

1.改善の目的と背景

  1. 平成18年2月に、大型コンバインの生産が大阪の堺製造所から当宇都宮工場に移管され、新たに”宇都宮ブランド”として生産を開始することになった。
  2. この大型コンバインの生産にあたっては、「踏み台(高所)作業」と「重量物の取り扱い」という点に新たなリスクが生じることとなった。
  3. リスク低減対策の重点としてこの二点(「高所からの転落」、「重量物の落下」)に絞って対策を進める必要があった。
  4. 従って、○改善の目的としては、①転落災害の防止と②重量物の落下による災害の防止である。
 ○改善前
 脱穀機の搭載・搭載後の組み付け
 組立台車のステップが狭いので踏み台を使用しているが、踏み外すおそれがある。


2.取り組みの方法と内容
  (概ねの費用・期間)

1.取り組みの方法
 リスクアセスメントにより、「転落リスク」及び「重量物の落下のリスク」を職場全員で徹 底的に洗い出し、そのリスクを評価し、リスクの高い順から優先順位を決め、物的対策を実施した。

 具体的な対策案は職場がアイディアを出し、出されたアイディアについて物的な形づくりは○改善班があたり、自前の○改善でリスクを下げる活動を展開した。
2.取り組みの期間
大型コンバインが移管された平成18年2月から9月末までの期間とした。

 しかし、この期間において全てのリスクを低減するには、時間的に不可能であり、また、リスクアセスメントは継続してリスクを低減させる活動であるから、10月以降も継続して実施している。
3.費用
基本的には、自作で行なったことから、備品等の購入で10数万円程度。
 ○改善後

 組立台車と一緒に動く踏み台を作製し、転落のリスクを低減した。

【ポイント】
 動く踏み台とは、車輪付きの踏み台を組立台車に連結する。
 手工具やボルト等の小物部品を踏み台に載せることで、極力昇降の回数も減らす。
 
 
 
 
 

3.効果

 「墜落」及び「重量物の落下」といった高いリスク(休業災害にむすびつくリスク)の作業についてリスク低減が図れた。

業種:一般機械  事業所組合員数:185人
職場改善事例(件名)

1ケ流しによる部品在庫の削減

(改善事例写真・図・関連資料の添付欄)
○改善前

1.改善の目的と背景

5台ロットで製品を流しているため、ピッキング台、梱包材台車、パレテーナの大きさ等、作業場に94個の台車、パレテーナがあり、歩行のムダがある。
ピッキング1台 660秒。

  1. 1ケ流しで物の流れ、人の動きを分かりやすくする
  2. 在庫のムダをなくす
  3. 安全通路の確保
 

2.取り組みの方法と内容  (概ねの費用・期間)

    
  1. 壁側に安全通路を確保した。
  2. 1ケ流しでピッキング台車、梱包材台車、パレテーナの数が27個に削減した。
(平成17年7月→平成18年
 10月) 15ヶ月
        ○改善後

3.効果

1.ピッキング1台660秒→103秒
 【モデル型式 KL-100NR-60A】

業種:一般機械  事業所組合員数:497人
場改善事例(件名)

「挟まれそう」遊び手対策

(改善事例写真・図・関連資料の添付欄)

1.改善の目的と背景

ヒヤリハットで吸い上げられた項目のひとつ!
設備の異常処理を行う際、遊び手で(左手)で、ワークを押さえながら右手で操作を行なっていたが、操作を間違えると、設備に手を挟まれる。
 ○改善前

2.取り組みの方法と内容
  (概ねの費用・期間)

操作盤左側面に、補助スイッチを追加設置し、各個操作時両手操作にて起動するようにし、機内へ手を入れない対策を実施した。
費用:約1,000円
時間:約1時間
 ○改善後

3.効果

挟まれ災害防止

業種:一般機械  事業所組合員数:277人

職場改善事例(件名)

危険箇所へのウレタンゴム貼り付け

(改善事例写真・図・関連資料の添付欄)

1.改善の目的と背景

平静18年度同種の災害が2件発生した(いづれも激突による頭部裂傷)。上記のことから危険と思われる箇所へのウレタンゴムの貼り付けを全職場に水平展開し、再発防止に努めることとした。
○改善前

写真ナシ

2.取り組みの方法と内容
  (概ねの費用・期間)

災害内容について詳しく調査し、全職場に報告し、水平展開を図り、類似災害を防止するためにウレタンゴムの貼り付け、必要に応じ表示板を取り付けた。
費用:0円
期間:1日
○改善後

3.効果

ウレタンゴム貼り付け、表示板を取り付けたことにより、作業をする際に気を付けるようになり、対策後の災害発生はない。