JAMは12月27日参議院議員会館第2会議室で、午後2時から甘利経済産業大臣と若林環境大臣宛の2件の要請行動を行った。 要請の内容は、電機・精密関連政策会議がまとめた「省エネ社会に向けた調査報告書」をベースに、2006年4月に改正施行された省エネ法(経済産業省所管)と温暖化法(環境省所管)が、より実効の上がる法律となるよう具体的な施策についての建設的な意見・要望である。 |
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省エネは企業の命題。そうした仲間の意見に耳を傾けて欲しいと申し入れた |
経済産業省には、@省エネ法の周知の徹底A代替エネルギー開発支援Bトップランナー製品の開発支援Cトップランナー製品の購入当たってのインセンティブ効果のある助成D熱と電気の一体管理に伴う管理士・管理員の適正な育成E特定荷主制度の周知徹底F深堀した省エネ政策の検討、以上7件。
環境省には、@省エネ法・温暖化法の周知徹底A米国・中国を地球温暖化を防止する温室効果ガス削減の枠組み国に参加させる外交努力をすることB温室効果ガス削減と省エネに関する教育の充実C新エネルギー変換システム利用機器に対する助成措置の継続と拡大の4件を要請した。
2件の要請行動に同席した組織内国会議員の津田参議院議員は、経済産業省との要請行動では、原油や原材料の値上がりが中小企業の経営を直撃している。各種のエネルギーは、ものの製造には欠かせないインフラの一つで省エネは企業の命題でもある。そうした仲間の意見に真摯に耳を傾けて欲しいとあいさつ。
また、環境省との要請行動では、冒頭、日本は今、京都議定書の批准によって温室効果ガス削減の目標達成に向け国際的約束をしている立場にある。JAMは、省エネを強く意識した「ものづくり」を心がける労働者の集まりである。従って、今日ここに要請書に書かれている内容は、国民的課題となった温室効果ガス削減をまじめに考える国民の声として聞いて欲しいと口火を切った。
要請行動は、2省庁とも津田参議院議員の進行で進められ、JAMを代表して要請行動に出席した豊泉副会長からは、JAMが今日の要請行動に至った経緯を含めてあいさつを行った。
業種政策会議の座長を務めている電機部会の宮本部会長(日本ビクター労組・中央執行委員長)が、調査報告書を踏まえた各要請内容の説明を行った。要請先省庁の対応者からは、要請内容毎に省庁側の考えが述べられた。
経済産業省の対応者は、資源エネルギー庁の省エネルギー対策課の戸邉千広・課長補佐、奥田修司・課長補佐、同課の影沼澤稔・企画調整係長、渡辺琢也・企画調整一係長の4人。
環境省の対応者は、地球環境温暖化対策局の小野寺秀明・課長補佐、梅田一也・課長補佐、川又孝太郎・国際対策室室長補佐、林俊宏・国民生活企画係長の4人。
経済産業省・資源エネルギー庁とのやりとりでは、今回改正の省エネ法の施行に具体的な施策の準備遅れが目立ち、JAMの調査時点でもそれが浮き彫りとなった。
法律の施行直後の調査とはいえ、適切な運用とは言えないとの指摘に、担当官は、遅れを認めた上で、現在では制度の定着に向けた準備は整ったと回答した。また、省エネ・リサイクル支援法を活用した支援の拡大については、同法の機能に、使い勝手の悪さがあり、迷惑をかけていると答えた。マスメデイアを活用した周知活動については、予算的な不十分さもあり環境省とも連携して対応を図りたいと答えた。
環境省・地球温暖化対策課とのやりとりでは、京都議定書批准国の拡大については、今年アフリカのナイロビで行われた国際会議で若林大臣が米国や中国との2国間協議を行い粘り強い説得を続けていることが強調され、学校教育の拡大については、同省として学校・生徒、そして先生向けの教育啓蒙機材を作成して、全国の学校に配布していると説明がされた。
JAMからは、「環境省はいろいろな機材をつくり業界団体を中心にPR活動を行っているようだが、業界団体だけでなく労働団体も協力できるので、持ってきたらどうか」と質問したところ具体的な相談をしたいと答えが返ってきた。
要請行動は、午後3時40分終了した。
財務省への要請書 | 経済産業省への要請書 | 環境省への要請書 |
(注)pdfファイルです |