厚生労働省が
医療制度改革試案を公表
9月25日、厚生労働省は2002年度「医療制度改革試案」を公表しました。「試案」では、医療と医療保険制度の将来の明確な姿が全く示されておらず、国民・患者への大幅な負担増と給付削減策にすぎないものです。
※内容は下の表をご参照下さい
また、政府・与党の公約破り
私たち労働者の本人負担は、1983年までは初診料のみでしたが、1984年に1割になり、1997年には政府・与党が、抜本改革を2000年度に実施するという約束で、2割になりました。今回の改革は、診療報酬体系・薬価基準制度・老人保健制度・医療供給体制を抜本的に改革する具体策が示されなければなりません。しかし、「試案」はこれらの抜本改革を示さず、財政のつじつま合わせを行うために、安易に保険料と患者負担を引き上げようとしています。 |
|
こんな問題点が・・
連合では事務局長談話で試案の問題点を次のように指摘しました。
@中長期的に維持可能な将来の医療保険制度の姿が展望されていない。
A医療費膨張の元凶である出来高払いの診療報酬体系を改革せず、医療費の不正請求や、重複受診などの医療費の無駄・非効率を放置したまま、国民に大幅な負担増を求めている。
B医療供給体制の有効・効率化や医療情報の公開などの改革案が示されていない。
C老人保健制度にかわる新たな高齢者医療制度の案が提示されていない上、老健拠出金を逆に増やそうとしている。
D医療費全体の伸びの抑制策を示さず、老人医療費の抑制に限定している。
|
今後、医療制度は2002年度改革をめざし「試案」を基に社会保障制度審議会・中央社会保険医療協議会などで協議され、年末までに最終案をまとめ、来年1月の通常国会に関連法案が提出される予定です。 |