政策ニュース

2001年10月1日 第2002−5号

《発    行》  J  A  M

《発行責任者》 大山  勝也

《編     集》 社会政策局

TEL:03-3451-2586

mail:syakai@jam-union.or.jp

  
「医療制度改革試案への反論が続出」
−第2回社会保障審議会・医療保険部会−
 

 9月28日、第2回社会保障審議会・医療保険部会が開催され、政策ニュース第2号でお知らせした、「医療制度改革試案」の議論が始まりました。

連合推薦委員が遺憾の意を表明

  

 連合推薦委員の連合本部・村上政策グループ長は医療保険部会で以下の質問・意見を述べました。

@「試案」とは何を試みるのか、社会保障を壊す試みか、財政のつじつま合わせの試みなのか。今問われているのは、トータルの社会保障をどう描き、将来不安を取り除くことなのではないか。

A与党はこの案を単なる「たたき台」と言っているが、この部会で議論した結果がそのまま通る可能性があるのか、我々がこの「試案」を議論する意味があるのか、ないのか、まずそれを明確にすべきである。

B1997年の負担増(1割→2割)は、政府・与党が2000年抜本改革を約束したから受け入れたものだ、しかし「試案」は負担増ばかりで、政府がこれまで約束してきた抜本改革とはあまりにもかけはなれている。

政府は部会の議論を重く受け止めよ!

  

 また、他の委員からも「議論結果の位置づけが不明確だ」など、村上委員に同調する意見が相次ぎました。

【厚生労働省答弁】

・本部会での議論結果は、年末に政府の成案をとりまとめるための一つの材料だ。

・「試案」ベースに議論をお願いしたい。

【部会長】

・政府は部会の議論を重く受け止めるべきだ。

【厚生労働省】

・改革が遅れている原因は少子高齢化の進展や景気低迷による保険財政の窮迫などの環境変化である。

【村上委員】

・少子高齢化の進展は97年にも当然わかっていたこと、景気の低迷は97年の負担増によて起こった、保険財政の窮迫は政府が97年の公約を守らなかったからであり、順序が逆である。

・すでに提起されている課題を解決しなければ国民は納得できない。改革は国民のための改革でなくてはならない。


総論から議論を!

 今後の進め方について、「次回は各論として高齢者医療制度について議論したい」という提案が部会長よりありましたが、村上委員は「なぜ改革が実現できなかったのかの経過を含め、まず総論を議論すべきである。各論から入れば、審議が不十分なまま時間がなくなり、これまでの審議会と同じ結果になる」と強く主張しました。その結果、次回はまず総論から議論することになりました。
 この部会の審議経過は順次政策ニュースでお知らせします。