政策ニュース

2001年11月2日 第2002−7号

《発    行》  J  A  M

《発行責任者》 大山  勝也

《編     集》 社会政策局

TEL:03-3451-2586

mail:syakai@jam-union.or.jp

  
育児・介護休業法改正案が衆議院本会議で可決

修正案を可決

 衆議院厚生労働委員会で審議されていた政府提案の「育児・介護休業法改正案」は、10月31日、子供の看護休暇請求権の3年後見直し規定等を入れ込んだ修正を行い、全会派賛成で可決され、さらに、11月1日、衆議院本会議でも可決されました。

 民主党は連合と連携して、子ども看護休暇の請求権化、対象労働者の拡大、男性の取得促進策等を盛り込んだ「仕事と家庭の両立支援法」を対案として提出していましたが、10月30日に与野党の修正協議等がまとまったため、採決前に取り下げられました。

 

与党との折衝を精一杯がんばりました

 JAMも、連合の衆議院厚生労働委員会傍聴行動に参加しました。10月31日傍聴行動前には、JAM組織内国会議員の鍵田衆議院議員が参加者に審議の状況を報告。

 「連合の要望を受け、子供看護休暇の請求権化について、与党との折衝を精一杯がんばりましたが、見直し規定を入れて3年後に請求権を検討することがぎりぎりのところでした。不満もあるところですが、ご理解下さい。」とあいさつしました。

 31日は、日経連、連合、有識者を参考人として質疑が行われ、大臣確認答弁の後、採決されました。また、附帯決議も全会一致で採択されました。今後は11月2日に参議院本会議で代表質問、6日から参議院厚生労働委員会で審議が始まります。

 

<可決された育児・介護休業法改正案要旨>

@育児・介護休業の申し出や取得を理由とする不利益取り扱いの禁止。(現行は解雇のみ)

A小学校就学前の子の養育または家族の介護を行う労働者は1年150時間、1ヵ月24時間を超える時間外労働の免除を請求できる。(現行は労基法・女性労働者対象)

B1歳から3歳に満たない子を養育する労働者に対して短時間勤務等の措置をとる。(現行は1歳未満)

C事業主は、小学校就学前の子の看護休暇制度を導入するように努めなければならない

D事業主は労働者を転勤させるときには、その労働者の育児や介護の状況に配慮しなければならない。


<修正案要旨>

@国は、子ども看護休暇制度普及のため事業主等に意識啓発を行う。

A政府は、法施行3年後に、子ども看護休暇制度の状況を検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。


<附帯決議>

 政府は、本法律の施行に当たり、つぎの事項について適切な措置を講ずるべきである。

@法の実効性を確保するため、本法に基づく諸制度や指針の周知徹底を図るとともに、的確な助言・指導・勧告を実施すること。

A男性の育児休業取得促進について調査研究を行い、有効な措置を講ずること。

B各事業所における子ども看護休暇制度の 早期の導入を促進するため、事業主に対する格段の相談・指導・援助に努めること。

C男女労働者がともに職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするため、ILO第156号条約の趣旨を踏まえ、職場における固定的な役割分担意識や職場優先の企業風土の是正に向けた労使の努力を促すよう努めること。

D仕事と子育ての両立のための雇用環境を整備するためにも、政府目標である年間総実労働時間1800時間の実現に向けて、関係省庁間の連携・協力を一層強化し、政府が一体となって労働時間短縮対策を総合的に推進すること。

E子どものしあわせを第一に考えつつ、待機児童の解消を目指して保育所等の受け入れ児童数の拡大を図るとともに、延長保育、休日保育、乳幼児健康支援一時預かり事業、放課後児童クラブなど少子化対策推進基本方針及び新エンゼルプランに基づき着実に推進すること。