政策ニュース

2001年12月3日 第2002−14号

《発    行》  J  A  M

《発行責任者》 大山  勝也

《編     集》 社会政策局

TEL:03-3451-2586

mail:syakai@jam-union.or.jp

  

中小企業信用保険法の一部改正案が可決

労働債権確保の附帯決議盛り込む

 

 1130日の参議院本会議では、中小企業信用保険法の一部改正案が可決成立しました。この法案は、最近の中小企業をめぐる金融環境の変化に対応し、中小企業者に対する事業資金融通の一層の円滑化が目的。中小企業信用保険について、売掛金債権担保保険の制度創設と特別小口保険の付保限度額の引き上げが行われます。
 連合は、売掛債権担保保険の創設は中小企業に対する資金供給手段の拡大として評価するものの、破綻した際の労働債権の確保については債権譲渡特例法の利用により、労働債権の確保が困難になった事件例があり、労働債権への配慮を前提とすべきという立場で取り組みを進めてきました。

 

 本改正に際しては、民主党を始め各政党に対して労働債権の最優先確保を求めてきました。この結果、「売掛金債権担保制度が、企業倒産時における労働債権の保全に影響を及ぼさないよう、労働債権の優先順位等について十分配慮を払いつつ、倒産法制の見直しを進めること」などを盛り込んだ附帯決議が、衆参両院において採択されました。 

失業率史上最悪を更新

10月の完全失業率5.4%について連合事務局長が談話

 

 1130日、総務庁が発表した10月の完全失業率は、大幅に悪化した9月の5.3%をさらに上回り、5.4%と史上最悪の水準となりました。これについて連合の草野事務局長は談話を発表し、政府による強力な雇用対策の必要性を強く訴えています。

【草野事務局長談話概要】

◆7月に5%の危機ラインを超え、とどまるところなく悪化していく姿に恐怖感を禁じ得ない。有効求人倍率も0.55と悪化、新規求人倍率も0.87とついに1を割り込んだ。

◆また、その内容も深刻さを深めている。

・男性の失業率が0.4ポイント悪化の5.8%

・非自発的失業者114万人(対前年比16万人増)のうち、男性が80万人(対前年比13万人増)を占め、うち4554歳が21万人

・製造業を中心に就業者数が大幅に減少(対前年比103万人減)

◆第一次補正予算による政府の雇用対策では到底不十分。政府は、サプライサイド中心ではなく、雇用と生活重視の政策に直ちに転換すべきである。

◆深刻化する雇用不安に拍車をかけるような、有期雇用労働、派遣労働の拡大など、無原則な労働分野の規制緩和は断じて行わない。

◆連合は、雇用の維持・創出について政労使の合意形成など、雇用対策を一層強化する。