「医療の質向上」本当に大丈夫?
今回厚生労働省が提示した内容は、医療費の抑制と同時に医療の「質の向上」を狙ったものとされています。例えば、医療事故を防ぐための安全対策や「床ずれ」対策を十分に行わない医療機関に対する診療報酬を減額することなどが盛り込まれています。また、担当医不足が深刻化している小児入院医療などでは割増をするなど「アメとムチ」による誘導策を打ち出しています。
しかし、安全策も床ずれ対策も、患者の評価ではなく、厚生労働省の指導と監督に合わせた対応をしているかどうかが問われているだけで、実効性には疑問が残ります。薬害エイズや狂牛病問題など、厚生労働省による指導や監督がいかに信用できないものであるかは明白です。
抜本改革実施は待ったなし
また、診療報酬点数が下がっても、開業医などが診療行為を増やして、収入を低下させないようにすることも危惧され、診療報酬の引き下げだけでは問題は解決しません。「出来高払いから包括払いへ」「患者・国民・保険者の意見と評価が反映される仕組み」など、私たちが求める真の医療制度抜本改革の実現していかなければなりません。
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引き続き取り組みの強化を
政府・与党は、小泉首相が主張する「3割負担来年4月から実施」を法案に明記するかどうかでいまだ調整がついていません。これまで取り組んできた「意見提出活動」や「1000万人署名活動」により、私たちの要求を実現できる公算は大きい情勢です。ぜひとも引き続きご協力をお願いします。
中医協とは?
厚生労働大臣の諮問機関で、医療行為の公定価格である「診療報酬」を決める場です。
医療保険の運営者側、医師・歯科医師の代表などの三者構成となっています。連合からも医療保険の支払側として3人の委員が参加しています。 |
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