政策ニュース

2002年2月12日 第2002−30号

《発    行》  J  A  M

《発行責任者》 大山  勝也

《編     集》 社会政策局

TEL:03-3451-2586

mail:syakai@jam-union.or.jp

  

3割負担に固執する小泉首相を許すな!

与党3党合意でも波乱必至の医療制度改革

 

 すでにマスコミ報道でご承知の通り、2月11日、坂口厚生労働大臣、福田官房長官と与党3党の幹事長・政調会長は、今国会に提出予定の医療制度改革関連法案に、「自己負担を来年4月から3割に」「政府管掌健保の保険料率を総報酬制で8.2%に」引き上げることなどを盛り込むことで合意。政府は2月20日を目途に法案提出を予定しています。しかし、自民党内では医療関係議員を中心に反発も強まっており、いまだ波乱含みの情勢となっています。

 

小泉首相はなぜ3割負担に固執するか

 

 小泉首相は、3割負担を法案に明記させることがあたかも「構造改革」であり、これに反対する者は「抵抗勢力」と決めつけるかのような発言をし、マスコミ報道もそれに踊らされています。しかし、3割負担と構造改革は何の関係もありません。自民党内で大きな勢力を持つ医療関係議員の影響力を抑えたい小泉首相が、3割負担問題を利用しているにすぎないのです。私たちの生活にとってきわめて重要な医療制度改革問題を、党内勢力争いの道具に使い、意地の張り合いをしている小泉首相を断じて許すことはできません。

 

3割負担が問題解決の道ではない

 

 医療保険財政は、今3割負担に引き上げなければならない客観的な情勢にはありません。また、他の先進国でも窓口負担3割の国はひとつもありません。それよりもまず、医療費の膨張を抑制し、安心と信頼の医療制度を確立するための、真の医療制度改革の実施こそが急務なのです。自民党の医療関係議員も3割負担に反対していますが、底辺にある考え方は私たちと異なります。自民党医療関係議員は、その多くが日本医師会をバックにしており、3割負担に反対するのも、これによって受診抑制がかかり、医療機関の収入が減ることを危惧しているからです。また、彼らが主張する「改革」も、国民・患者の立場ではありません。

 

真の医療制度改革は私たちの手で

 

 今こそ私たちの力で本当の医療制度抜本改革を実現する時です。「連合・1000万人署名活動」と「お医者さんにかかったら領収書をもらおう運動」を職場の組合員一人一人が本気になって取り組まなければなりません。ぜひとも一層のご理解とご協力をお願いします。

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