JAM農・建機部会(部会長・岡田 勤、26組合16,477人)は2007年6月にJAMの組合員とその家族を対象に「食に関するアンケート調査」を実施した。 調査結果からは、相次ぐ加工食品の偽装問題、中国製ギョーザによる薬物中毒事件など多くの事件が表面化する前にも関わらず、食に対する安全安心が信頼できなくなっているとの意識がすでに圧倒的多数を占めた。 農・建機部会はこの結果を4項目の提言にまとめ、農林水産省と厚生労働省に対して @海外からの輸入に依存しない食料確保 A食料の国内生産の強化と自給率の向上 B環境に対する取り組みと食育の普及 C食品表示の分かりやすさへの改善 ----などを求める要請行動を2008年2月29日に行った。 この申し入れには、JAMの組織内国会議員である津田やたろう参議院議員、筒井信隆衆議院議員、辻泰弘参議院議員も同席した。 |
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「食料の国内生産の強化と自給率の向上」 などを農林水産省へ申し入れた | |
「表示の分かりやすさ改善」 などを厚生労働省へ申し入れた | |
食のアンケート報告全文 (pdfファイル572KBあります)
(1)食の安全・安心に対する意識 |
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食の安全性 |
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食の安全に対する意識 |
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安全に対する意識は高いが低年齢ほど希薄。 家族構成による意識変化が大きい。 食品の安全に対してストレートに聞いたところ「非常に不安」と「少し不安」を合わせて81.8%と高い水準となった。家族構成の変化でも、配偶者を持つことによって安全に対する意識が急に高まる。 また、年齢が高くなるにつれて高くなっている。 一方、不安を感じていないのは、20歳代で未婚の男性。さらに一人暮らしという結果になった。 |
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賞味期限や消費期限 |
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安全に対しての関心は、賞味期限や消費期限への注意の払い方を見ると非常に高いことが伺える。 (「かなり意識している」との回答が68.8%) |
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国産か輸入品か |
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輸入品の原産国 |
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国産と輸入品との区別に対する意識を見ると79.2%が区別している。さらに、輸入品に対しては、中国の残留農薬の問題や、医薬品の毒物混入偽装などいいかげんな管理の問題が発生した後(アンケート調査は2007年6月)ということもあり、原産国に対する注意を払っていることも明らかとなった。(「意識している」との回答が75.9%) |
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農産物への農薬の使用 |
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農産物の残留農薬 |
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農薬の使用については、「かなり意識しているが25.5%」と四分の一が回答したが、国産品に対しては、適正に基準が守られているという認識から、この程度にとどまったものと思われる。 農薬の使用に対しては、安全を確保するための基準の遵守や検査に対しての不信感が見られる。 |
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ラベルの表示内容に対する信頼 |
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食品の「表示に対する信頼」は、日本の企業は不正をしないという前提から非常に高いものになっている。しかし、不安を感じている消費・賞味期限や鮮度、産地、原材料などは、パッケージに表示されたものなどで判断するしかなく、表示を信頼しているのと反対に不安を払拭するための決定的な要素になっていないことも伺える。 |
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重要性は感じるが、具体的な活動はしていない。表示に頼り五感を使った食品選びが希薄になっている。 | |||||||||||
「食育」という言葉と意味の認知度 |
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「食育」の関心度 |
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食育の認知度は、決して高くなく57%がほとんど知らないに等しい。しかし、「関心がある」とした人は、65.3%と高い。 関心の高さで見ると、女性、高年齢者、既婚者など普段から食事を作る立場であることや家族と生活している人ほど高い。 |
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食育に関する活動の実践 |
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食育の実践では、栄養のバランスが45%、より安全な食品の購入が39%。実践で上位にある項目は、食品の表示に頼る部分が多い。農業体験や料理教室などへの参加(2%)、食生活の改善に対しての勉強会への参加(3%)は非常に少ない。 |
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アンケート回答者の声 | |||||||||||
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アンケート調査の対象はJAMの組合員の中で「主に食品を購入している方」で、調査は2007年6月〜7月に地方JAMを経由して5,000枚が配布され1,868枚が回収されたもの(回収率37.4%)。回答年齢は10代〜70代で30代から50代が約9割。女性が56%、男性が43%、既婚82%、未婚18%。 |